本の行く末

ちょうどのこの日誌を書いているまさにその時、NHK
クローズアップ現代」で電子書籍の特集をしていた。
それが本当に根付くのか、本離れを止められるのか、非常に
懐疑的だが、そんなことより、私を愕然とさせたのは、
毎日50万冊、年間1億冊もの本が「焚書」されているという
事実である。
(分母の違いはあるにせよ)歴史上いかなる独裁者も成し
得なかった思想統制がなされているわけだ。
「売れない本は悪い本」、そう「市場原理」とかいう暴君
の仕業である。

と酒(晩酌中)の力を借りてヒートアップしてしまったが、
ちょっと冷静になってみると、そもそも今の日本に不要な
本が多すぎるだけなのかも知れない。
同番組でも、本は売れないのに、出版点数はますます増える
一方、業界自らが本の寿命を短縮しているとコメントして
いる。

かつて村上春樹が「死後何十年か経ってなおその作家の
本が残っている場合にのみ、それは手にとって読む価値が
ある」と作中人物に言わしめた台詞を思い出す。

果たして、「リアル鬼ごっこ」は2050年まで生き残れるか?
(西暦3000年の話だそうだから、大丈夫でしょう(笑))