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− 1日朝、金沢市片町一丁目の広坂通りの歩道上に、
大量の生活ごみが投棄されているのを通行人が発見し、
金沢中署に届け出た。ごみ袋49袋の中身は、布団や衣類、
生ごみなどで、不燃物も一部あり、引っ越しの際に出たごみ
を捨てたとみられる。街なかの景観を台無しにする不届き
な行為に市は「前代未聞」と憤り、同署は廃棄物処理法違反
の疑いで捜査を始めた。
金沢中署と金沢市の調べによると、捨てられていたごみの
総量は約190キロ。ごみ袋のほかに、不燃物の入った段
ボール箱や紙袋もあった。前日の夜にはなかったことから、
1日未明に投棄されたとみられる。
ごみ袋の一部には「富山地区広域圏」指定の半透明のもの
が使用されていた。国民年金の納付通知書やはがきがごみ
の中から見つかっており、同署は名前が記載されていた
女性が不法投棄に関与した可能性があるとみている。
金沢市によると、片町周辺の飲食店や事務所では毎晩、
店の前にごみを出し、早朝に契約した収集業者が回収する。
業者は今回、明らかにいつもと違うごみが捨ててあったため、
回収しなかった。市は「置いておけば、一緒に持っていって
もらえると思ったのかもしれない」(リサイクル推進課)として
いる。
今年度、金沢市に届け出のあった不法投棄の件数は、8月
末現在で山間部を中心に40件。うち多量で投棄者が特定
できた5件を県警に通報している。昨年度は年間140件で、
通報は4件だった。ごみの不法投棄は廃棄物処理法により、
懲役5年以下又は罰金1千万円以下の罰則が適用される。−


片町というのは、北陸随一の繁華街で、多くの飲み屋が
集まっている市内の中心地。そこに50袋近いごみを放置して
ゆくというのだから、(タダでさえ景観維持に神経質な)市
当局者が憤るのも無理は無い。
が、この犯人、あまりにも安直と言うか無防備というか、足の
付く遺留品を山ほど残しているところがナンだかである。
きょうび家庭でもシュレッダーは常識だというのに、ことも
あろうか年金の通知書をそのまま捨てるとは。
個人情報の多くは、こういった「ごみ」から抜き取られている
ことを知らないらしい。
おそらくこれだけ手がかりを残していれば、当局の追及を
受けるのは間違いないだろう。
もしかしたら、自然保護主義者で、山中に捨てると自然破壊
になるので、誰かが片付けてくれるであろう街中に放置した、
ある種「良心的」な犯人なのかもしれない。


昔、友人と山歩きをした時、一服したタバコをしっかり持ち
帰る友人に感心したのだが、帰路街中に入ったとたん、
クルマの窓を開けてポイ捨てしたのに、驚いたことがあった。
彼を問いただすと、美しい自然は守らなければならないが、
街ははじめから汚れているのでどうでもよいのだそうだ。
こういった「誤った良心的行為」は、世の中に意外と多いの
かも知れない、とわが身を振り返ってみた。