佐賀の「無毒化フグ肝」、厚労省が安全委に評価依頼

 独自の養殖技術で無毒化したトラフグの肝を観光客に提供しよう
と、佐賀県と同県嬉野(うれしの)町が申請した「ふぐ肝特区」に
ついて、厚生労働省は11日、無毒化したフグ肝の安全性について評
価するよう、内閣府食品安全委員会に依頼した。
 同特区は、同県と同町が昨年6月、無毒化した肝を同町にある嬉
野温泉の名物料理として売り出し、町の活性化につなげようと、申
請していた。
 肝の無毒化は、長崎大などの研究グループが「フグは毒を含む海
底生物を食べることで有毒化する」との仮説をもとに開発。全国8
か所で、海底の有毒生物から遮断する「囲い養殖」を行い、約
5,000匹すべての肝の無毒化に成功した。
 これに対し、厚労省は「(無毒フグを確実に生産する方法が)科
学的見地から確立したとは言い難い」として特区を認めない方針を
示したが、県側は「学術的に安全性に問題はない」と譲らなかった。
 さらに、県側が「複数の専門家による公正な判断が不可欠」と主
張したため、厚労省も同委員会に判断を委ねることにした。
 フグ肝は、猛毒テトロドトキシンを含むことから、食品衛生法
食用禁止となっている。

<引用終わり>

養殖によってフグを無毒化するという試みの話。
大学の先生方が「無毒化に成功!」と発表したにも拘らず、厚労省
側がストップを掛け、結局他所の行司に判断を委ねるという、なん
とも日本のお役所的な経過を辿っているようだが、まあ人の生き死
にの問題であるし、慎重になる気持ちも判らなくは無い。


では何故、同じ猛毒の「ふぐの卵巣」糠漬が石川県でのみ製造を許
可されているのか?

答えは「江戸時代から作っているけど、今まで食べて死んだ人間が
一人もいないから」なのだ(ふぐの卵巣を糠に漬けると何故、毒が
消えるのか、実はこれも科学的にはよく判っていない)。

つまり、上記のフグ肝も、関係者が5世代、100年位にわたって食べ
続け、何の問題も無ければれば、厚生労働省も「No」とは言えない
というわけ(笑)。


「ふぐの子(卵巣)糠漬」の詳しい製法はこちらをどうぞ
http://www.ishikawaya.com/shohin_shoku_nukaduke.htm