初めてのたけのこ掘り

私は石川県小松市というあまり都会とはいえないところで生まれ、
父方は2代前までお百姓、母方は材木屋という土の薫り高き出自
を持つにもかかわらず、アウトドア体験がほとんどありません。
子供のころキャンプに行って、ご飯炊いて、テントに泊まってと
いった思い出も無く(忘れているだけかも知れないけど)、
潮干狩りさえもやったことがありません。
そんな私が、この日人生初めてのたけのこ掘りに挑戦することに
なったのでした。
仕事の知り合いの方Sさんが所有する竹林にご招待いただき、
手ぬぐいを首に巻いて、軍手して、鍬を持つのも実は初めて。
「雨後のたけのこ」の言葉通り、前日の雨でやわらかくなった
地面から面白いようにたけのこがニョキニョキ生えています。
30cmほど伸びたたけのこの生え際を少し掘り起こして、鍬を
水平にスコンと打ち込み、うまくいけばそのままポッキリと
きれいに折れますが、失敗すると断面がグジャグシャになって
食べられる部分が少なくなってしまいます。
グラビアアイドルがキャッキャ言いながら下手するのはかわいい
で済みますが(たまたま前日そんな番組やってました)、中年に
入ったオッサンが鍬もろくに使えないのは、自分でも寒いなあ、
と今までの人生を反省してしまいました。
そんなこんなで1時間で30本ほどの収穫を手に、ご招待下さった
方のお宅にお邪魔し、昼食はたけのこ尽くしをいただきました。
獲れたてのたけのこの刺身は絶品、わさび醤油も美味しいけど、
そのまま口に入れると、(当たり前だけど)たけのこそのもの、
ほんのり甘い、さわやかな食感は、「旬」という漢字をそのまま
口に入れたよう(まさにたけのこは「筍」なんだなあ)。
食べるほどに元気に、健康になってゆく、そんなご馳走でした。
Sさん、ありがとうございました。